ホラー映画でもテーマになる「閉鎖病棟」。
重度の精神病の患者さんを治療する病院です。
健康な方には、縁のない知らない世界。
怖いイメージが先行していますが、実態はどうなのでしょうか。
今は明るく元気に楽しく社会の一員として、生活を行っている私ですが、20代の多くの時間を閉鎖病棟で過ごしました。
気づいていたら入院していたり、退院していたり。
若い女子にはよくある摂食障害で、入院していた模様です。
私も記憶が曖昧で、人生の中で時とばしにあっている感覚。
当時の日記を元に、閉鎖病棟の実態について、お伝えしていきます。
基本的に、外部空間と遮断された入院施設。
日々嘘のようなトラブルが大発生。
暴れたらイメージどおり拘束され、クレイジーな人が揃います。
誰の話も信じるな
私の入院していた病院は、談話室やレクリエーション施設があり、自力で歩ける軽度の症状の患者さんどうしは交流することができました。
閉鎖病棟は長期療養の患者さんが多いので、顔馴染みの人も増えます。
ですが、患者さんの話を信じたり、物の貸し借りは絶対やめた方がいい。
基本的に、精神が限界を迎える人の集まりなので、全部嘘ですし、何を言っているかも謎です。嫉妬にまみれた人も大量に発生しているので、要注意。
医師、看護師、職員としか話さない方がいいですね。
空想、妄想を語る人が多く、真実ではありません。
惑わされないように注意しましょう。
気づいたら、自分もあちらの世界に連れて行かれてしまいます。
何かがおかしいと気づきはじめたら、正常な精神に戻り始めているのかもしれません。
院内規約で、物の貸し借りが禁止されていることが多いのですが、特に自分に配布される薬の貸し借りはすぐに暴力沙汰に発展するため、関わらないのが懸命です。
薬の時間になると列になって、薬の配給を受けるのですが、その時は飲んだふりをして薬をためる人がいます。
院内では、流行の薬がその時々にあり、その薬を処方されている人が狙われます。
(大体、飛べる系の向精神薬が人気です)
院内は暇なので、薬で意図的にぶっ飛ぶ人もいます。
プッツン系の症状の強い症状のある患者さんはもはやジャンキー。
薬切れたら、ほんとに怖いです。
そういう人はすぐに殴りかかってきたり、噛み付いてくるので気をつけましょう。
閉鎖された空間が全ての世界になってしまうため、病棟内の人間関係は重要です。
変な行動をとる人がいてもそっとしておき、注意や、人の意見を否定することなく、聞かないことが一番。
何度か入院してわかったことは、存在感を消し去ること。
これが閉鎖病棟で、平穏に治療に当たるコツです。
その辺で誰かが発狂していても、お漏らしをしていても無視。
体感的に、若い女性の患者さんはすぐに殴りかかっている症状の方が多いので、注意して、近づかないようにしましょう。
可愛い顔してて怖いですよ。
本当か嘘か、わからないですが、病棟内では、風俗嬢をしていると公表する女性が多いです。
病棟内では女性は風俗嬢、男性は投資家が人気の職業です。
閉鎖された空間では、異性と交流したり、株式を購入することができないので、憧れを口にすることが多い可能性があります。
男性の患者さんは風俗嬢と聞くと、行けそうな気がするとワクワクして、お気に入りの女性患者に優しくします。
女性の患者さんは投資家のお金に惹かれて優しくします。
きっと、通常の空間で出会ったら、出会うことのない2人。
ここは、閉鎖病棟。限られた人にしか出会うことのない院内で、カップルが爆誕。
ですが、みんな少しクレイジーなので、他の患者さんが見ている談話室などで、セックスを始めようとするのですが、すぐに職員さんに引き剥がされてしまいます。
そんな問題行動を起こしたら、拘束されてしまうので、気をつけましょう。
1人でオナニーをするのもこっそりトイレが基本。
病室内は監視体制強化のために、監視カメラがあるので、下半身を露出していたら、すぐに職員さんが来てしまいます。
布団の中ならセーフです。
ですが、病室にはティッシュなどを持ち込むことができないので、出しっぱなしになります。
トイレ内には監視カメラがないので、安心してください。
トイレの他にも、監視カメラに映らない死角があったので、(共用テレビの後ろ)たまにテレビ後ろで、オナニーをしている男性患者さんを見ることができました。
射精した後の精子を、他の女性患者に投げつけてくるのでなかなかパニック。
女性患者さんもずっとパンツの中に手を入れて、手についた匂いを匂わせてくる人がいて、臭くてびっくり。
閉鎖病棟では、バリエーションに富んだ変わった人に出会うことになるでしょう。
症状も人それぞれなのですが、どちらかというと性欲が薬の副作用でなくなってしまう人が多い印象です。
私は、副作用で性欲がなくなっておりました。
明るい刑務所
・携帯は持ち込み禁止
・窓は脱走を防ぐために鉄格子
・病棟ドアは内側3重扉
・病棟ドアを勝手に開けると警報が鳴る
・刃物類は髭剃りを含めて持ち込み禁止
・私の入院していた病院ではプライバシー保護のため、ベッドの番号で呼ばれる
・入浴は週3回
・トイレ以外に監視カメラ設置
・面会システムあり
・病棟の規約違反には罰則→風呂禁止、部屋に出るのは禁止など
刑務所と違うところは、病院なので男女が混在することです。
悪いことをしているわけではないのですが、すごく悪いことをしている気分になります。
暇な時間は大量にあるのに、やることが全くないので、時の流れが止まってしまう。
動かないので、眠くならず、薬で無理やり眠る生活。
自分を見つめ直す以外にやることはありません。
差し入れに本を送ってもらって、私はずっと読書していました。
辞書を熟読して、単語を覚えて自分でクイズを作るのはなかなか時間が潰せますよ。
もちろんセクシーな雑誌は持ち込み禁止なので、気をつけてください。
諦めるな
「病は気から」とはよく言われていますが、本当にその通り。
もしあなたが閉鎖病棟に入ることになっても、悪いことをしたからではありません。
治療をしているだけです。
周囲に、今まで出会ったことのない奇人変人が多すぎて苦しいかもしれません。
一生ここから出られなかったらどうしようと不安に思うこともあるでしょう。
誰も自分のことを信じてくれない恐怖に押しつぶされることもあります。
ですが、治療したら、きっと回復します。
かという私も、退院したくて院内で暴れて拘束具での72時間拘束を受けたことが何度もあります。
その時は、恐怖に支配され、絶望を味わいました。
このまま、拘束されたまま、一生を終えたらどうしようと震えと涙が止まりませんでした。
ですが、ここで学んだことは、やんや騒いだって無駄。
外してくれと騒げば騒ぐほど、外してもらえません。
いい子にじっとして、時間がすぎるのを待つしか選択肢はありません。
人権がないと思うことも多々あるし、虐待ではないかと疑うこともありました。
ですが、お話が通じなくて、自身の意見が通らないと大暴れしてしまう人に対して、できることは、閉じ込めるくらいしかないのかも知れません。
私は摂食障害での入院だったため、指定の体重まで健康に戻せたら退院できました。
今となっては、何で痩せたくて、何をそんなに食べるのが嫌だったのかさっぱりわかりません。やっぱり病気だったのでしょう。
ですが、あまりにもひどいと感じたら、弁護士に相談されることをおすすめします。
危険な病院も存在していると時々ニュースになっています。
中の人から、相談するのは非常に困難なので、もしご家族や友人で入院している方で面会時にありえないくらい怪我をしていることなどに気づいたら、外部調査を依頼してあげてください。
思うことはやはり健康が一番!