覚せい剤で逮捕されたAV女優KIRARAの懲りない刑務所ライフ

やっほー、KIRARAだよ。私の涙の逮捕編は読んでくれたかな？

あー最初に言っておくけど、これ書いてる陣内君。今でもたまに会うんだけど、コイツに話した事をここに残してもらうんだ。だって、見たいでしょ？グラドルしてた女がAV出て覚せい剤で捕まった話なんて(笑)じゃあ、早速イッてみよう！

拘置所のオジサンは、皆私をオカズにしてた

留置所は物騒で、拘置所は気だるい。拘置所って、簡単に言えば刑務所に入る前の仮住まいなんだよね。で、クソつまんない。
 
イケメンがいない、酒もない。犯罪犯したから当たり前って言うじゃん。でもさぁ、これで何を変えればいんだろ。そればっか考えてた。
 
だってそうじゃない？そもそも日本が薬物禁止なら、薬物が日本にある事がおかしい訳じゃん。それをなんでAV出てる女が吸える訳？金があるから買えるって本末転倒。あるのがおかしいんじゃん…。
 
こんな事ばかり考えてると、刑務官のオジサンがちょっかい出してくるんだよ。
 
「お前の出てるAV見たぞ？」とか「本物はいいなぁ」とか。
 
何？と返事しても、身体しか見てないんだよね。でも、これがいけなかったんだ。
 
拘置所って個室じゃないの。５人位の人で部屋を使うんだ。中には私より若い子もいた。
その子に、私が刑務官とのお喋り聞かれてさ。
 
「ヤク中のヤリマン、死ねよ」
 
小声で言われて、唾吐かれた。久しぶりに女怖いって思った。
ここでの生活で一番大事なのは、お金。その次に、ひと時のお友達。
 
だって、朝起きてから寝るまで、ニートみたいなもんだよ。ボロい服着て、お菓子食べて本読んで寝る。事務所の人が良くしてくれたから、不自由はなかった。でも、友達は結局出来なかった。女の敵は、やっぱり女なんだ。
 
ていうかね、Oさんが面会に来た。
 
「KIRARA、お前の金は俺が全部預かってるからな」
 
…ね？結局逃げれないじゃん。刑事さーん、この人捕まえてよ。

クソ暑くてクセ寒い。それが刑務所。

私が刑務所に入ったのは、たぶん夏？蝉が鳴いてた。で、相変わらずボロい下着付けて、ボロい服着てた。ていうか、皆汚かったし、臭かった。500万使ったこの身体には、不似合いだ。飯食ってミシンして寝る生活。3年もこの暮らしかよ。最初は絶望しかなかった。だけど、半年で慣れてしまった。
 
友達はすぐに出来た。3つ上の井上（仮称）さん。彼女はレズビアンで、お風呂上がりに耳を舐めてきた。カラカラの私に電気が走った。
 
「新入ちゃん、仲良くしようね」
 
で、同じ部屋の人はこの事を知って、私と距離を取るようになる。
 
葉っぱの友達もいる。武藤（仮称）ちゃん。私の一つ下。むっちゃんは、彼氏とベトナム旅行に行って葉っぱを吸った。日本に帰ってきてから、ネットで買い漁ってたみたい。で、渋谷の路上で逮捕されたんだ。
 
「木村ちゃん、おっぱい大きいね」
「作りもんだよ、むっちゃん」
 
私達は子どもみたいにクスクス笑いながら、廊下を歩いた。この瞬間が一番楽しい。
 
残念だけど、友達とはあんまりお喋り出来ない。勝手にお喋りすると、懲罰房に入れられる。だから私達は、隠れては逢瀬を重ねる平安貴族みたいに、密かに話したり、楽しんでいた。みんな犯罪者なのに。それが刑務所という場所だ。
 
一番辛いのは、面会。美紀さんが必ず来る。
果てしない童貞ちんぽ君のお陰で、私にはファンレターや、オファーまで来ているらしい。
 
Oさんも来た。あと2年で出られるとか、マンションはちゃんと残してあるだの、この人は私を手放さない。こんな汚い穴に次は何を入れる気なんだろう。

イジメられた半年間

私がむっちゃんと薬物講習を受けた後だ。
部屋に入って本を読んでたら、私の髪の毛を掴んで叩いてきた。訳が分からなかった。
何人かが輪になって蹴ってきて、沢山アザが出来た。血だらけになっても、消毒してクリーム塗って終わり。
 
寝てたら蹴られる、本は隠される。そんな毎日。
だから、私は復讐してやった。
 
プリズンの中は、世間様と一緒で派閥争いがある。ゴミ溜めの王様になって何が楽しいんだろう。でも私は復讐の為に、王様の刑務官に媚を売った。
 
簡単だ、ホスト君と同じ。信じた振りして、頷いて言われた通りにすれば良い。
王様は落ちた。
 
私をイジメてたオバさん3人は、工具を無くした事がきっかけで、喧嘩をした。刑務官に逆らって懲罰房行きになった。
 
井上さんの友達が工具を隠して、オバさんの机に置いたのだ。
オバさんが吠える。
 
「私をハメようたってそうはいかないよ！」
 
井上さんは冷静に答えたみたい。
 
「アンタの机の上にあるじゃないの！」
 
先に手を上げたオバさん、それに続く金魚のフン。井上さんは、刑務官が来るまで逃げ回ってくれたそうだ。おかげであの人達は部屋の移動と刑期の延長。満足だ！
 
もちろん、井上さんにお礼はちゃんとした。土曜日の昼、トイレで。何度もイカされたけど、唇を噛んでなんとか乗り切った！
コレも持ちつ、持たれつなの。
 
隣で寝ている和田さん（仮称）は、浮気ばっかする彼氏を殺した。お茶に飽きて水ばかり飲む加藤さん（仮称）は、アル中で、お局様の公子様（仮称）は、組長を庇って終身刑だ。
 
みんなそれなりに生きてきて、ここにいる。
コンビニのお菓子を宝物にする、ムダ毛だらけの女の園。それが私の家だった。

久しぶり、シャバの空気はうめぇなぁ！

お務めが終わった。長い三年間。
入る前と出る時を比べると、色々凄かった。
 
髪の毛に始まり、身体のありとあらゆる所はムダ毛ばかり。薬指は骨折したせいで、上手く曲げれない。刑務所は、悪い事をしたら悪い事してやるの世界で、反省どころじゃなかった。
 
現実に戻されたのは、私の服や靴を返された時だ。ヒステリックグラマーのパーカーはブカブカで、ヒールを履くと小指が痛かった。
 
「ここはどこ？」
 
笑うと肩が上がる。薬のせいだ。
むっちゃんは、これは癖だから、下向くと変じゃないよって教えてくれた。そっか、もうココじゃあ、シャブ漬け女の仕草も異常なんだ。
私は帰りたくても、帰り方が分からなくて泣きそうになった。
 
「キララッ！」
 
誰かがこっちを見てる。いかにもなサラリーマンで、性格は悪そう。
 
「紗良ッ!」
 
私の名前を呼んだサラリーマンは、やっぱり性格悪い。呼び捨てかよ、ちゃん付けろよ、刑務所じゃマナーだぞ！こんな生意気で強がりなのは、アイツしかいない。
 
「陣内君、また仕事サボったの？」
 
私は思いっきりの笑顔で飛びついた。

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